人事制度はすべて各社オリジナルでなければなりません。このことは、程度の差こそあれ、自社のメンバーが、人事制度の作り込みに参画しなければならないことを意味します。
そして、人事制度の制定は生成過程でのコミットこそが重要です。というのも、制定後の運用への対処のための予行演習であり、事後での不平や言い訳をさせないためでもあるからです。
人事制度の構築を売る側の立場からすれば、正直なところ既成品の方が楽です。しかし、当社は出来合いのサンプルで済ませることは一切しません。なぜなら、人事制度の目的を考えれば容易にわかることです。
人事制度は、企業による人を通じた事業観の集大成です。もちろん、他社の事例やテキストを積極的に参照するのは一向に構いませんが、あまり洗脳されないようにして下さい。全てがオリジナルだからこそロールモデルは不在なのだという気概を片手に、しっかりと自社の足元を見つめながら、社員に対して自信を持って説明できる制度作りを支援します。
私は、人事制度を作る目的は主に次の3つにあると考えます。
- ①求める人材像について、階層・職種別に明確にすること
- ②各人の給与・賞与について、納得のいく説明ができること
- ③社員の気づきと成長を促し、適度な緊張と競争をもたらすこと
実は、①=等級制度、②=給与制度、③=評価制度 にそれぞれ対応しています。
例えば、人材像が明確でない状態で採用活動がうまくいくでしょうか? また、自社の等級や給与のテーブルが定まらない状態で、社員が長期的にコミットしてくれるでしょうか?
社員の立場で考えてみればごくごく常識的なことが、案外なおざりにされているのが実態です。
等級とは、一言でいえば社内序列のことです。細分化しすぎると年功的になりやすいので注意が必要です。また、等級は、社員のキャリアマップとしての機能も果たします。
等級に対応した給与の幅を決定します。特に、レンジどうしの関係とレンジの等級別の幅を決めます。
- 1.1等級に1給与が対応するのがシングルレート
- 2.1等級に一定の給与の幅を持たせるのがレンジレート
→給与の幅の中で昇給運用を行うことができる - 3.重複型は移行・運用しやすいが、上位と下位の逆転現象もあり
- 4.接合型は、逆転現象がなく、等級と給与の関係が明確となる
- 5.開差型は、シングルレートのレンジレート版ともいえる
- 6.給与水準の設定にあたっては、市場相場も考慮に入れる
等級に対応した給与の幅を決定します。特に、レンジどうしの関係とレンジの等級別の幅を決めます。 評価制度は、次の3点で決まります。
- (1)等級、職種、役職別の評価要素とウエイト
→与えられた仕事や役割と人の軸、プロセスの軸、業績の軸 - (2)評価者をどうするか
- (3)評価情報の取扱いと活用方法
- ①自社の人事制度の特徴を手短に説明できるようにする。
- ②人事制度の構築作業は「発想する」より「思い返す」こと。
つまり、新たな評価を行うというよりは、これまでの評価を形にするというイメージから出発します。 - ③次のキーワードを常に携えておく。
キーワード 展開例 客観性 等級・職種毎の評価要素や基準などの明文化 公平性 評価の基本理念の共有と評価者・被評価者への訓練 透明性 評価結果のフィードバック、説明、公開 納得性 面接、評価のプロセスと結果、処遇に対する説明 - ④先頭社員と最後尾にいる社員に注目する
- ⑤成果物を意識して取り組む
- 当社が人事制度の作成主体となり、作り込みまでを行うタイプです。
- 当社がファシリテーター(進行・促進役)となり、アドバイスを行うタイプです。
◆求める人材像のあらまし | ◆給与テーブル |
◆社員アンケート要綱、面談シート | ◆賞与配分規定 |
◆個人別年収履歴、プロット図 | ◆人事考課シート |
◆資格等級・給与規程 | ◆人事考課集計一覧表 |
◆人事考課規程 | ◆四半期面接シート |
◆人事制度運用マニュアル | ◆360度フィードバックシート |
◆社員説明会資料 | ◆目標管理シート |
◆課業一覧表 | ◆移行格付け一覧表 |
◆職種別等級一覧表 | ◆個人別新格付け通知書 |
一般的な人事制度の導入手順をご紹介します。
当社における人事コンサルティングは、2タイプの提供形態があります。 どちらのタイプも、電話、メール、ファックス等でのご相談は随時受け付けます。
6ヶ月~1年
人事制度について、まずは概要だけでも知りたい場合、オリエンテーションサービスをご利用下さい。